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レイリ「私ボーリング何てやった事ないんですけど大丈夫かな、それにしても昔はボーリング何てなかったのに何時の間に出来たんだろう」
海斗「ボーリングは結構昔からあると思うけど...まー球を真ん中に投げていれば大丈夫だろ」
レイリは16ポンドの一番重い球を持って来た対して店長は矢鱈指を入れる穴が沢山ある子供用の球を持って来た。
レイリ「海斗君それ子供用じゃないんですか?」
海斗「そーかぁ?俺は小さいのがいいんだ重たいからな」
レイリは右から真ん中を狙って投げるとストライク、それが3回続いてターキーだ。
対して店長は真ん中を性格に投げすぎて毎回左右にピンが残るスプリット。
170対90でレイリが勝利した。
海斗「おかしいなー最上手くいくと思ったんだがじゃあ次カラオケ行こうぜ」
カラオケ店にて
レイリ「んー何歌おっかなぁ」
レイリは海斗と二人っきりになれるのが途轍もなく嬉しかった普段職場であるカフェは女子ばかりで男子は店長だけと嫉妬していたのだ。
自分でも正直驚いている、こんな人間らしい気持ちがまだ残っていた何て
そして店長は歌い出す、演歌を只管
レイリも100年以上生きているので演歌の良さは分かるが女子と二人デートで演歌は無いと思った、アニソン以上の破壊力がある。
聞いていて抑抑歌が上手いのか下手なのかが良くわからないジャンルだ、でも歌っているのは店長で聞いているだけで楽しい。
レイリはアイドルグループの曲や流行のJPOPを歌う。
海斗「やっぱ女の子は歌が上手いなぁ」
確かに女性は声が高いので歌を歌うと上手に聞こえるがレイリは少しムッとした。
海斗「いやーレイリ歌が上手何だな何時も近くに居るのに知らない事だらけだよ、じゃあ最後に屋上にあるバッティングセンターにでも行こうか」
レイリ「バッティングセンターかぁ野球ですね」
海斗「野球は少しやってたからバッティングには自信があるんだ」
海斗は120キロと遅い球速のゲージに入り5回程素振りをして200円を入れる。
そして球が飛んでくるも、ブン、ブン、と素振りの音しか聞こえて来ない、頭は球の出る方向しか見ておらずどうやら球が出た瞬間その軌道を予測して独自のタイミングでバットを振っている様だ。
お金を払って素振りをしているだけなのを見兼ねたレイリはアドバイスをする。
レイリ「最ボールを良く見て脇を締めてバットを振って下さい」
カキッ、とボールが当たる様になって来た。
レイリ「球はそんなに速くないから引きつけてから打ってください」
カキーン、初めて打球が前に飛んだが、バットを上半身だけで打っている、経験者といっても下手な部類に入るだろう、そして球は尽きた。
海斗「まーこんなもんだな次はレイリ200円上げるから打ってみてくれ」
レイリは140キロのゲージに入り3回素振りした。
海斗「これ一寸速い球だぞ大丈夫なのか?」
レイリ「これ位が丁度いいんですよ」
カキーン、カキーンと球をバットの芯で捉え全体重を乗せてバットを振っている海斗とは丸で違うフォームだ。
そして打球はライナーで上空のネットに突き刺さる。
レイリ「ふう、意外と疲れますね」
海斗「何かレイリ凄かったよ、経験者なら言ってくれれば良かったのに」
レイリ「大した経験じゃないけどね」
そして二人が帰路を辿る際に今日全く良い所を見せられなかった海斗から告白した、自意識過剰ではないがレイリはこの状況も想定したので直様返事をした、キスだけはしない事を条件で。
この条件に海斗は違和感を示さなかった、近年は色々な宗教、宗派があるのでその一環なのだろうと。
レイリが海斗のアパートで同棲するまで半年ほど時間が掛かったと同時にバイト先で店員と店長が交際している事がオフィシャルになるのも同時期だ。
此処でレイリは決断した、心から思っている人物海斗からキスをされたらレイリは死亡し、人間である海斗はゾンビになってしまう、ならキスされそうになったら自分からすれば良いと、自分が死ぬ事を恐れている訳じゃない既に100年以上生きている、海斗がゾンビになる事を恐れているのだ、自分と同じ境遇の陥りゾンビになられる事だけは避けたい。
このタイミングで決断したのは自分の幸福度が頂点に達していると感じ、一度死んでいるゾンビ状態の自分がこんなに幸せで良いのかと思った。
だが何ればれる事も明白、永遠とこの16歳の体で過ごして異変に気付かない筈が無い、幸せな時間が続けば続く程人間の海斗も悩み悩むだろう。
出て行こう、今日海斗が帰ってきたら理由は告げずにただもう逢えない事を伝えよう。
体中に血液が通わず冷え切ったこの体を温めてくれた海斗の優しさは永遠に忘れないだろうこの先何10回何百回素敵な出会いがあったとしても。
そしてこの悲しみに洗礼になれる事もないだろう、最後の夜である今日会えた事だけでも後で素敵だったと思い出そう。
海斗「只今ーーっ!!」
レイリ「お帰り、今日は肉じゃが作ってあるから一緒に食べようね」
海斗「あぁ何時もすまねぇなー」
何時も通り二人で夕食をとる、海斗の店が閉まるのが10時だから毎日11時頃と遅い夕食だ。
レイリ「あのね海斗、私はもうこの部屋に戻れない二度と海斗ど会う事もないから今日でサヨナラしよ、理由は言えないけど」
レイリから流れる筈のない涙が流れる、涙は赤血球であり血の一部だ、ゾンビが流していい物ではない。
海斗はその台詞を聞いてリアクションは起こさなかった。
沈黙が時間を5分ほど流し海斗が席を立った。
海斗「これからお前にキスするぞ」
この言葉を聞いたレイリは危機を感じその唇を海斗の唇に重ね合わせた、自分からした心算だった。
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