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その唇と唇は離れる事無く数秒間が経ち体が熱くなる。
あきらかな体の異変にレイリは死を予感した、自分は海斗にキスされ呪いを受け海斗はゾンビになり私は死ぬんだと。
私からキスした筈だった、失敗した、失敗した、失敗した、漸く死ねる、でも海斗をゾンビにしてしまう。
唇が離れていく感触がした、そしてドクンドクンと脈打つ感覚がする、百年振り位の感覚だ。
目を開けると海斗が心配そうに此方を見つめている、然し海斗の顔色が何時もと違う、血色が良い健康的な顔色だ。
海斗「ごめんなレイリ俺もゾンビの呪いを受けていたんだ、おい!いるんだろエニアス」
透明化していたのか何もない空間からいつかの魔女が姿を現した。
海斗「アリエルは一緒じゃないのか?この俺をゾンビにした魔王」
エニアス「今日は不在だよよくやったね海斗にいつかのお嬢ちゃん」
レイリ「海斗もゾンビだったの?これってどういう事?」
エニアス「前にも言ったろ好きな異性にキスをされると相手がゾンビなら人間に人間ならゾンビになり自分は死ぬって理屈さ、ただお互い同時にキスしているからゾンビの二人は死ぬのを通りこして人間に戻るだけって話しさ」
レイリ「何時から私がゾンビだって知ってたの?」
海斗「お前がうちの店に面接を受けに来た時からだよ。同時に惚れたんだ、俺の実年齢は23歳とお前より7年長く生きてるのに女性との交際経験が無くて告白するのに時間が掛かったよ。ゾンビになった時期は同じ関東大震災の時、だから俺は今日までゾンビで死んでいたんだ、お前がいたから一緒に生活も出来たし人間に戻れた、だから先刻のレイリが出て行くと言った台詞に返答する。出て行くな!、心配するなお前が老いて死ぬまで俺も死なない」
レイリ「う、嬉しいよう、一緒に年をとれるんだね、死ぬまで一緒にいようね」
エニアス「んじゃ私はヨーロッパに帰るとするかね!貴公等私とアリエルに感謝するんだね、一度死んでる人間を生き返らせてんだからね」
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