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最後の手段
しかしなぜか息子はその言い訳を信じたのかコクリとうなずいた。野原に吹く風が、老木の役割を果たして、本当だと信じたのだろう。ファントリドスはフーと肩に詰まれた重荷を下ろした気分だった。その直後、また、魔王ヒトラーがささやいた。「君が大好きだよ 君の美しい姿にはぞくっとするよ でも君にその気がないなら 痛い目にあってもらうしかないね」 ファントリドスは失神しそうだった。魔王・ヒトラーはついに最後の手段を取ったのだ、と感じた。こうなればこちらも最後の手段を使うしかない。ファントリドスはライフル銃を構えた。そしてありったけの弾をヒトラーに向けて撃った。何発撃ったのだろう? 何発撃っても当たらなかった。弾があと十五発というところで、残りの十五発のうち一発を撃った。するとその弾は一直線にヒトラーの腹に向かって走った。ドスッ! グアーーーー! その瞬間ヒトラーの叫び声が聞こえた。それから五分間ぐらいヒトラーはずっとグヌヌとうめいていた。ファントリドスは長い戦いが終わったようにやったーー! と大声で叫んだ。
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