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「ツイキャス見てください、これ!」
一人がスマホを差し出してきた。斎藤と近藤が画面を覗き込む。誰か仕事をさぼってスマホをいじっていたに違いない。だがそれが偶然犯人にヒットした。
一人の青年が街中をぶらぶら歩きながら楽しそうに話している。
『えーっと、これもう始まってる?』
{男・顔出し}でタグにはMとある。
『想いって届かないよねー。見てくれてる~?』
人混みが少ない、路地に入って目的地があるかのように迷いなく歩いていく。
その手に持つ銃をくるくると回しながら。
「ここって・・・」
「この映像四課に流せ、早く!!」
「もうやってます!!!」
近藤たちは危険な青年の背景に驚愕した。
要塞のようなそこは大組織の出身母体の事務所だった。ここだけの対策室が愛知県警第四課にある。
まわりがざわつく中、斎藤は青年に釘付けになった。
『拓海さん見てくれてるかなあ~?』
おーい、というジェスチャーでこちらに呼びかけている青年。
それはレイだった。
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