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追いかけてくるヤクザを一人ずつ確実に撃ち殺しながらMと思われる青年は市街地のほうへ逃げていく。
追っ手を振り切って銃を背中にしまい、スマホにカメラ目線で
『拓海さーーーん!助けて!!』
楽しそうに笑いながら『ケーサツは俺じゃなくてあっちの家に行くと思うよ!命知らずは見に行け!!』
「こっちは追跡しとるわ!」
斎藤が映像を追う。Mは機能を切っていないのかGPSで同時に追跡しているが土地勘があるので確認しなくても映る背景でだいたい位置がわかる。今は昼で勤務中だ。こちらから連絡しないと交番も動かない。
基本通報がないと行動しないのだ。
『俺捕まらないと犠牲者増えるよ一般人でも警察官でも、誰でも来い!』
そう言いながら駅に向かって走り続ける。
『ダメだーー息上がる!早く来てよ会いたいよ』
そのまま地下街に潜り込んだ。電波が入りづらい。
「ちっ、切れた!!」
「地下鉄はやばいぞ。早く連絡して避難させろ!」
「監視カメラ生きてます!」
怒号が響く中なんとかMを見失わず追いかける。
切り替わった映像には、膝に手を置いて荒い呼吸をしている青年が映っている。画面を確認しているような動きをしてまた走り出した。
「行くぞ。何人か借してくれ」
斎藤の言葉を近藤がさえぎる。
「命令出てないぞ」
「そんな事言ってる場合か!」
近藤指揮の数人を連れて斎藤は画面を頼りに走り出した。
『動くの遅いよ』
レイの顔をしたMがつまらなそうに呟いた。
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