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「出入り口全部防げないか!?」
走りながら斎藤が部下に叫ぶ。
「無理ですよ!どれだけの規模だと思ってるんですか!」
「出来なくても、やるんだ!機動隊でも自衛隊でも要請出せ!!相手はテロリストだぞ!一人とは限らない。見つけろ!!」
いつの間にか再開したツイキャスにはタクシー移動しているMが映る。
『えー、ただいまここにおります。地下鉄でVXでも散布すると思った警察関係者ご苦労さまです。俺はコピーキャットしませ~ん。はい次行きます』
JR側から地上に出た斎藤たちは画面で背景を見る。Mは警察をからかうようにどんどん移動していく。
『さてどこ行こうか。TVジャックでもする?』
「絶対行かないな。近藤当ててみろ」
「高速でカーチェイスはしたくないな」
「地下鉄で追いかけっこも嫌だ」
その時画面からMの声が大きく聞こえた。
『俺は拓海さんに会いたいだけなの!!みんな連れてきてよ!県警の!斎藤拓海!じゃないと俺なにするかわかんないよ!!』
Mは運転手に銃口を向けた途端発砲した。そこでライブは途切れた。
「・・・何だよこいつ」
信じられないという顔で近藤が呟く。斎藤も同じ気持ちだった。
無差別に殺人を繰り返し、逃亡中もライブ配信する前代未聞のキャス主へのコメントがどんどん流れていった。そのスピードには追いつけなかった。
そして斎藤拓海という名前を繰り返される事でリスナーの興味はそちらに向かい、あたかも斎藤が悪いという空気に展開した。
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