そして、二人

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そして、二人

 叶芽の家に2人だけになった。家がやけに広く感じる。  叶芽の両親が使っていた部屋は、今まで春子さんと美春さんが使っていたが、今は家具が置かれただけでガランとしている。  ベッドに腰掛けていた叶芽は、ベランダに出た。 「檸檬の木が見えますね。錬さんはこの部屋を使いますか?」 「叶芽はどの部屋を使うんだ?家主の意見を尊重する」 「僕は今までの部屋を使います。この部屋は落ち着かないです」 「どうして?日当たりはいいし、大きいベッドもある。ベッドは買い替えてもいい」 「ベッドが大きいと、いつも考えてしまいます」 「何を?」  叶芽の顔が真っ赤に染まってる。 「…あの、ですね…」 「はっきり言わないとわからないぞ。はっきり言える人になるんじゃなかったのか?」 「錬さんに触れたいとか、したいとか…」  自分で言わせたことなのに、あまりの可愛いさに歯止めが効かなくなる。 「今、これからしようか…」  キスで口を塞いだから、返事は聞こえない。
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