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白い封書
「おにいちゃん!」
公園にいたぼくの元へ3歳下の弟が、何かを携えやってきた。
「これ、お兄ちゃんに渡してくれって」
みるとそれは白い封書に入った手紙だった。
受け取ると訝しげに封書の中身と見覚えのある木彫りのキャラクターを目にする。その木彫りにぼくは、ぞくりと寒気を感じた。
「これ、渡したの、どんな人だった?」
弟は考え込み指を顎の下にあてると、
「うーん? 背の高い人」
僕には心当たりがなかった。でも、手紙の内容に興味をいだく。
「ん?」
『樫網英雄、この手紙に書かれてあることを運命と思って受け入れるんだ! 僕は20年後の君自身だ!』
そんな冒頭の一文に一気に釘付けになった。
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