言えなかった言葉

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バイトは基本リモートワーク。 単位は取り終えて、ほとんど授業もない。 サークルも引退した。 そう、僕は卒業まで毎日がホリデイなのだ。 そんな生活をしていると、もちろん人に会うことはない。 家に引きこもるか、たまに外食に行くくらいだ。 だがしかし、月に一度だけミーティングなるものが開催される。 行きたくなくても行かなければいけないのだ。 しかもこのミーティング、毎回メンツが入れ替わるため初めましての挨拶からする必要がある。引きこもりコミュ障にとって、知らない人と話すのは大変MPを消耗する。したがっていつもなるべく最低限の会話でその場を乗り切る。 今月もその日がやってきた。 早く到着して、ミーティング本番より前に知らない人と余計に話すことを避けるため、開始時刻ギリギリを目指して電車に乗った。 帰宅ラッシュの逆を行く電車は空いていた。しかし、他人に触れたくない僕は無理して座ることなく立ったまま目的地の駅まで乗った。 ミーティングの開催されるビルまでくると、参加者と思しき人物がちらほらと現れた。会場は8階だ。人混みが苦手な僕は外階段で8階まで行った。 中に入ろうとすると、開かない。外階段と中に通じる扉には鍵がかけられていた。7階まで降りて、エレベーターに乗りなおして会場入りした。
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