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当日はよく晴れて朝7時の時点でもう暑かった。
俺は巳緒と、巳緒の家の最寄り駅で待ち合わせして、一緒に行った。
伊藤は千葉の実家に住んでるし、智香ちゃんは俺たちとは沿線が違うので現地集合になった。
巳緒はノースリーブのチュニックにレースのチュニックを重ね、丈の短いジーンズと編み上げのサンダルを合わせて、俺が夏合宿であげた貝殻とパールのペンダントをしていた。
俺は照れてしまって何も言えず、気づかないふりを決め込んだ。
とても似合ってる。可愛いよ。
そう言いたかったんだけど、どうしても言えなかった。
言うと、他のことも言ってしまいそうで…
「智香はあまりアトラクションは好きじゃないって言ってたし、伊藤くんは智香と一緒にいたがるだろうから、あたしたちは積極的にアトラクション回ろう」
巳緒が吊革につかまって窓の外を見ながら言う。
眩しそうに目を細めている横顔に目を奪われながら、俺は「え?別行動するってこと?」と訊く。
巳緒は俺を見あげて
「だって、今日は智香と伊藤くんの距離を縮める会でしょ。
彰、ちゃんと伊藤くんを焚きつけた?」
凄いことを平気な顔で言う。
俺はしどろもどろになり「あ、、うん。まあ…」とか適当に答えてしまい、巳緒に足を踏まれた。
「痛って!」
俺は思わず叫んで、座席に座っている人に睨まれた。
笑っている巳緒を見ながら、俺は巳緒と行きたいところばかり考えていて、あの二人はまるで蚊帳の外に置いていたことに気づいた。
ダメだなもう…はしゃぎすぎだぞ俺…
巳緒は俺の方を向いて
「あのね、あたしソアリン行きたいの!
インパしたらすぐにファストパスとって…
彰は、トイマニのスタンバイ走ってね♡」
とにっこり笑って命令する。
「それからタワテラ行って…タートルトークと、ジェラのショーも見たいし。シーライダーはスタンバイでも大丈夫そう」
とかスマホでディズニーのサイトを見ながらブツブツ言っている。
俺はため息をつき、今日はもう、巳緒の言うがままに動こうと決めた。
せめて写真をいっぱい撮ってやる。
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