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俺はその日のバイトの間ずっと浮かれていたらしい。
店長から「彰…大丈夫か?今日早めに上がっていいぞ」と額に手をあてられる始末だ。
まあ、ここ最近めっちゃ落ち込んでたのに、急に浮かれ出したら、そりゃ皆気味悪く思うよな。
でも、それが解っていても、ニヤニヤが止まらない。へへへ。
それでも何とか時間最後まで働いて、外へ出て早速、大谷さんにLINEする。
『こんばんは、バイト終わったよ』
と入力して送信すると、すぐに既読がついて『お疲れ様♪』というスタンプが来る。
『メッセージありがとう♡ずっと待ってたから嬉しい』
という文章が送られてきて、ただそれだけのことなのに頬が緩んでしまう。
キモイぞ、俺。
気をつけろ。
今、すれ違ったお姉さんがめちゃめちゃ引いてたぞ。
不審者一歩手前だ。
それから家に帰るまで、ずっと大谷さんとLINEしていた。
電車を何本もやり過ごし、互いの誕生日や血液型、趣味とか好きな映画、最近読んだ本など、思いつく限りの個人情報を交換した。
彼女の住んでいる場所が大学からは俺と反対方向だったので、明日の朝、大学の最寄り駅で待ち合わせすることにして、ようやく終わりにして家に帰った。
帰宅がすごく遅くなってしまったけれど、なんだかとても充実した気分だった。
巳緒も、水野さんと毎日こんな感じで過ごしているのかな。
そんなこともまた、話せるようになると良いな。
互いの恋人の話が普通にできる、友人関係なんて最高じゃね?
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