彰・11-2

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 昼食はザンビーニブラザーズで落ち合うことになっていたが、伊藤と智香ちゃんは先に行っているという連絡が来て、俺と巳緒は海底2万マイルに行ってから合流した。  2階の眺めのいい場所に伊藤と智香ちゃんは陣取っていて、昼間っからワインを飲んでいた。  「何、お前らもう酒飲んでんの?」  俺が驚いて訊くと、  「いっぱい歩いて喉乾いちゃってさ〜」  伊藤がえへらと笑う。  もうできあがってないか?  この時間でヤバくね?  「あれっ それお揃いじゃないの?」  巳緒が智香ちゃんのバッグに目を留めて言った。  バッグにキーチェーンのついたダッフィーのぬいぐるみがぶら下がっている。  伊藤がこれ見よがしにテーブルの上に置いているキーホルダーにも同じものが付いていた。  「そうこれ可愛いでしょー」  伊藤がやに下がる。  みっともないぞその顔…  「だってぇ、伊藤ってばお揃いの帽子買おうとか言うんだよぉ。  この暑いのに絶対イヤ!って言ったらこれになったの」  智香ちゃんが口を尖らせる。  問題はそこか?  「だって智香がお揃いのカチューシャもイヤだって言うから…」  「キモイ!」と俺たちは声を揃えて罵倒する。  お前、自分のゴツイ顔に可愛らしい耳のついたカチューシャが似合うとでも思ってるのか?  伊藤は平然と「俺には見えないもん。似合ってなくても関係ないもん」とぬかしやがった。  そりゃお前はそうかもしれないが…はっきり言って犯罪だぞそれ。  食べ終わって外に出ると、少し秋めいているがまだ暑い日差しが照りつけて来た。    4人で写真を撮ろうということになり、精一杯腕を伸ばしてスマホのフレーム内に4人でくっつき収まって撮った。  伊藤が通りがかりの人に頼んで、海をバックに4人で撮ってもらう。  これから先、友達関係がどうなるかわからないけど、いい思い出になるなぁと思った。
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