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捨てるのが面倒で置きっぱなしになっている、古いパソコンを起動してみる。
あ…動いた。良かった。
先輩に借金のカタに取り上げられた俺のパソコンは今何処…
なんて考えてもしょうがない。
このパソコン、貰っちゃおうかなあ。
ふう、と大きく息を吐いてテキストをリュックから取り出して広げる。
部室はWI-FIが入りにくいので、USBをつないでデータを呼び出し、レポートを作成する。
しばらく没頭していると、誰かが入ってきた気配がした。
顔をあげると驚いて口を開けたまんまの巳緒がいた。
「あ…入っていい?」
とか訊いてくる。
なんだか久しぶりにまともに見る、巳緒の顔。
「別に、俺のもんじゃないし」
うわ。俺、素直じゃない。
巳緒はおずおずといったように入って来ると、俺の向かいの椅子に腰かけた。
「それ、さっきの授業のレポート…?」
「そうだけど」
「・・・・・・・」
巳緒が絶句しているのが判る。
何だよ、失礼な奴だな。
「そっちこそなんだよ、2限の授業でなくて良いのか?」
「伊藤くんと高木くんに頼まれて…
レポートの資料を」
手に持っていたコピーの束を持ち上げて見せる。
「あいつら…
俺から巳緒のノート借りられなくなったからって、直訴したのか」
ずるい。
後で伊藤から借りよう。
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