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あたしはぶりぶり怒りながら大学まで来てしまって、開いたばかりのカフェテリアでコーヒーを買って椅子に座った。
彰に茶化されて、ものすごく腹が立って勢いで来てしまったけれど…
どうしよう。
時間を潰すという意味でも、返事をどうしようという意味でも。
困ったな。
彰のバカ。
あんな言い方することないじゃない。
男の人の気持ちとか、訊いてみたかったのに…
高校時代、付き合ってた彼氏は友達の延長的な人で、あんまり甘い感じとか胸キュンって雰囲気がなかった。
最後も別れるというよりも、自然に友達に戻って、それぞれ新たな道に進んだという感じだった。
スマホを取り出して、あてにならない彰より、誰かに相談しようかと考えながら眺めていると「あれー?巳緒、早いね~」と賑やかな声がした。
顔をあげると、同じ学科の智香と優茉が、パンとコーヒー、それに大きなバッグを抱えて、こちらに来るのが見えた。
「彰くんは?」
二人はあたしの向かい側に座りながら、辺りを見回す。
「池田先生のレポート、昼まででいいからとにかく出せって言われたんだって、家で書いてる」
あたしが言うと、2人は「何それぇ~草ww」と笑う。
「そういえば、伊藤もそんなこと言ってたぁ。
あたしもそれがいい~」
智香はキャハハ、という感じで笑いながら、バッグからパソコンを引っ張り出した。
レポートをやるらしい。間に合うのかしら。
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