衝撃の事実

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そんなに大声で話しているわけではないが、近くのテーブルからちらちらと女子学生の視線が向けられる。 俺は元運動部で、身長は180オーバー。 高校では運動部には入らなかったので、筋肉質というわけではないものの、さわやかスポーツマンの雰囲気は健在らしい。 もともとラテン系のはっきりした顔立ちなので、一人で歩いていても、男女問わず声をかけられることは多い。いや、男に声をかけられるのはそんなにしょっちゅうではないが、それでも街中で何度かはある。申し訳ないが丁重にお断りして、さっさと逃げるようにしている。 好きな女の子を捕まえることもできずにいる情けない男ではあるけれど、あくまで好きなのは女の子なんです。 いや、女の子なら誰でもというわけではなくて、たった一人なんですけど。 慎太郎は細身だが、身長は俺と10センチも違わない。 こいつは正統派イケメンで、リーダー気質がはっきり顔に現れているので、そういうタイプを好む女子の人気は相変わらず高い。 すでに複数の上級生の女子学生から声をかけられているようだ。 高校の頃からそうだったけど、平気で上級生からも誘われる。むしろ、大学に入ってからは上からの誘いの方が多いんじゃないだろうか。 決して母性本能をくすぐるタイプではないはずなんだけど、なんなんだろうな。隣に立たせたときのステータスとか、そんな感じだろうか。 俺は、大体言われるのは同級生か後輩かなんだけど。 制服という記号が外れた今、慎太郎は一気に大人っぽい雰囲気を漂わせるようになり、高校時代よりさらに周囲の目を引くようになっていた。 入学式の日は、周りもみんなスーツだったから、そんなに目立たなかったと思うんだけど、私服でうろうろし始めたら、スタイルの良さとかスタイリッシュな感じとかが俺から見てもはっきりわかる。 別に、着てるのは普通のジーンズにTシャツとかなんだけど。
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