衝撃の事実

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俺は一年の後半から二年の前半にかけて部長を務めたから、そのあともなんとなく学年のまとめ役みたいになってて、運営面では中央にいたんだ。 そして演奏面では、間違いなく斎藤と川北が俺たち同級生の中心だった。 齋藤が実力で一番上なのはみんなわかっていたし、演奏面では完全なリーダーだった。川北がそれを隣でうまく支えてくれてさ。齋藤が真剣になりすぎて、多少きつい言動をとったりしても、あのほんわりした態度で和ませてくれたりした。 俺は一応弦のくくりに入っていたから、頼もしい限りではあったよ。 慎太郎は金管のセクションリーダーだったから、選曲なんかではぶつかることも多かったな。 クラスでは、慎太郎と齋藤や川北と四人組みたいになって二年間、一緒に高校生活を送ってた。俺は一方的に川北に片想いしてたんだけど、川北は全然気づいてなかったし、慎太郎と齋藤は中学からの同窓だから気心知れてて楽なんだろう…くらいに思ってた。 …というか、俺が鈍いんだろうな。 自覚はある。 いや、いろんな人からそう言われることがあったから、今ではもう「俺は鈍いんだろう」と自分で理解していると言った方が正確か。 後から考えれば、思い当たることはいくつもあったんだ。 そして知ってしまえば、あまりにもお似合いに見えて…聞いてからしばらくは、四人組で行動するのもちょっと遠慮してしまうくらいだった。 気を付けて周りを見ていれば、そもそも慎太郎と齋藤が付き合ってると思ってる同級生も結構いたらしい。そのついでに俺と川北も、と思われていた時期もあったようだけど… 残念ながら、だ。 一切口外無用と脅されて合宿ではその話は終わったんだけど、俺はいつも一緒にいる立場から必要に迫られて、その後一度だけ慎太郎と二人で帰ってた時にその辺の話を聞いたんだ。 「俺は、どうかしたほうがいいの?」って。 だって今まで通りいつも俺が傍にくっついてたら、慎太郎が齋藤になんか言いたくても言えないだろうと思ったんだ。 慎太郎の力になれる…と思うほど、うぬぼれてはいない。俺の恋愛偏差値は、多分かなり低いから。 でも、邪魔はしたくないと思って、直接本人に聞いてみた。 だってわかんないし。
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