部長は私の光だったらしい

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 狐につままれたような気分のまま、部長の後を追ってひたすらに山を登っていく。  辺りは木々に覆われていて、まともな登山道は見当たらない。まだ昼前だと言うのに薄暗いし、不気味だった。  そんな中を、部長は見かけによらない身軽さでホイホイと進んでいく。私も「部長に負けてなるものか」と必死にそれを追いかける。  ――と。 「少しペースを落とした方がいいかな?」 「っ――! いえいえ、大丈夫です! こう見えても学生時代は体育会系だったので!」  ひょろひょろでヨロヨロな部長に気を遣われてしまった!  ……なんだろう、微妙に屈辱的だ。  そんな私の内心を知ってか知らずか、部長は「疲れたら言ってくれよな」とさらなる気遣いの言葉をかけて、行軍を再開した。  ……なんだかもう、私の完全敗北な気がしてきた。
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