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ドアが大きく開いたと同時に微笑む少年がいる。
「こんばんは~」
なんとも間の抜けた挨拶をされるが、吉田は口を開く。
「お前…………岸屋殺しの…」
周りが吉田を見る。
巷で噂になっていた暴力団 岸屋を全滅させた子供の話は伝説になっていた。
「そんな人たちもいたね~」
相変わらず笑顔は崩さないで、彼は頷く。
「大丈夫ですか?岸屋さんたちより、弱そうですけど…」
「なんだと!」
威勢よく飛び出してきた仲間は、拳銃を向け発砲するが彼は体を横に向けただけで避けてしまった。
そして澤木を撃った拳銃で、綺麗に心臓を撃ち抜いた。
次々と出てくる相手にたじろぐこともなく、慣れたように机や家具を盾にして応戦している。
吉田は屈みながら、青島の隠れるテーブルへ急いだ。
銃声が止まない。
青島はすっかり勝機をなくしていた。
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