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「もしもし!」
「偉く慌てているな…」
依頼人が苦笑いしている。
額の汗を拭う。
「どうだ、上手くいったか?」
「ふざけるな…。他に依頼していたな」
怒りを抑えて、問いかける。
「あ?何の話だよ」
「…だから、先に殺されていたんだよ」
小声で、電話口へ声をこもらせる。
そのとき口笛と足音が聞こえた。真横を通りすぎていく少年。
「俺はお前にしか依頼していないぞ」
相手の声を聞きながら、少年の後ろ姿を駐輪場の影から見送る。
「……………ガキだ…嘘だろ」
月に照らされて白く光る水溜まりの上を少年は跳び跳ねるようにスキップしている。ピストルを片手に上機嫌なようだ。
男は、その後ろ姿を目に焼き付けていた。
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