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瀬谷はガラステーブルにうつる自分の顔を見つめた。疲れている。
ここのところ、まともに寝ないでゼブラを調べていたから。
ホールでは躍り狂う若者たちがいて、カウンターにはいつも通りに莉穂と須崎。そして和馬が莉穂に話しかけている。
「瀬谷。ゼブラを一つ」
常連客が瀬谷に寄ってきた。目の前で手を合わせておねだりされる。
「今は販売停止。」
「え?なんでよ………」
瀬谷は客の耳元に囁く。
「死にたくなかったら、買わない方がいいぞ」
顔がひきつった男は、固い動きでホールへ消えていった。
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