プロローグ:月曜日 憂鬱な ゆうくん

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プロローグ:月曜日 憂鬱な ゆうくん

たくさんの人が、この曜日を嫌ってる。 ぼくを嫌ってる。 週のはじまり 繰り返しの元位置 あぁ、またここにいるのかと──重いおもい、ため息をつく。 ほとんどの人に、嫌な気持ちを抱かれている月曜日。 げつようびだ! なんて喜んでくれるのは、ごく僅か。 一部の小さな子どもと、 一部の平日、月曜休みの社会人くらい。 たくさんの人の憂鬱を抱えて、 ぼくは今日も、ぼくであるこの曜日を迎える。 世の中には色んなはじまりがある。 でも『月曜日』という週のはじまりに、 希望みたいな、良いイメージを持つ人は少ない。 だからぼくも、ぼく自身に良いイメージなんてない。 だからとても、嬉しかったんだ。 「きみという『はじまり』があるからこそ、ボクはボクでいられるんだ。だから──」 そう言った笑顔は、とても近くにあって。 すごく、明るくて。 見たら眩しいって分かっているのに、 それでもぼくは──思わず顔を上げてしまったんだ。 「──だからボクは、キミのことが好きだよ」 隣りあわせではあるけれど、ぼくたちは反対側にいた。 会うことなんて、ないと思っていた。 終わりであり、みんなに好かれている。 ぼくと違って、みんなの人気者である君には──……。
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