プロローグ:土曜日 どんちゃん 3わぐのは誰のドコ? 末っ子

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プロローグ:土曜日 どんちゃん 3わぐのは誰のドコ? 末っ子

土曜日は、たくさん働ける日。 1週間の中でいちばん稼げる、オレにとって大事な1日。 ちなみに日曜は次の日学校だし、他にも色々とワケあってそんなに働けない。 だからオレにとっては土曜日が何より大事で重要なんだ。 まぁ他にも理由はあるんだけど、それはそのうちってコトで……。 高校生がお休みの日に一日中働くなんてエラいわね、とか。 今のうちしか遊べないんだから、とか。 可哀想──なんて言われたりとか。 そんな他人の感想なんて、どうでもいいし興味ない。好きに言ってればいいんじゃない? オレにとってはコレが当たり前で、自分で望んでやってるだけ。 オレが生きていくために、家族が幸せになるために。 兄さんたちが、もっと自由になるために。 そのために必要だと、オレが決めたことだから。 だから他人の考えなんて気にならないし、気にするつもりもない。 オレにとっては家族がすべてで、家族全員の幸せがすべて。 それ以上でも、それ以下でもない。 そう思うけど、それがうまくいかなくて。 どうしていいのか、分からなくて……。 でも何もしないワケにはいかない。 きっとオレがひとりで生きていけるようになれば、きっとみんなうまくいく。 だから止まってるヒマなんてない。 働いて働いて、早く一人でも生きていけるようにならないと。 そうやってただひたすらに求めることは、 何も見ないし聞いてない、ただ逃げてることと同じでもあるんだって── その頃はまだ、分かってなかったんだ。 明るく照らしてくれるものなんて、何もなかったから。 すべてだと思っていたものが、すべてなワケじゃなかったから。
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