3人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
光の中の彼女
なにもかもいきなりだった。
ジュースを買いに行こうとした夏の午後だった。降り注ぐ眩しい光に頭がクラッときたと思ったら、今度は壁にぶつかったような衝撃がきて僕はそのまま地面に倒れ込んだ。
だけどそんな衝撃も、僕が意識を取り戻して、目の前の出来事を見た瞬間の衝撃にはかなわなかった。
僕は今もあの時の情景を鮮明に思い浮べる事ができる。忘れようったって忘れられるはずがない。
だってそれは彼女と過ごした夏の一ヶ月の唐突な始まりだったのだから。
僕はそこに倒れている女の子を見た。女の子はうつ伏せになって倒れている。
女の子の髪は長く、その長い髪を黒と青と緑のまだら状に染めてるみたいだ。
不思議なことにワンピースも同じような配色だった。背中を見ると透明な羽みたいなのものが付いている。
そして女の子のワンピースから露出した透き通るような白い肌は真夏の日光に照らされて輝いていた。
最初のコメントを投稿しよう!