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「大丈夫?」
ベンチにだらりと座る僕の顔を、心配そうに覗き込む夏樹。目の前に差し出されたペットボトルのお茶を、
「ありがとう。コースター系、結構平気だったんだけどね」
苦笑いを浮かべながら受け取った。
僕の隣にそっと座った夏樹から、しょんぼりとした空気が伝わってきた。
僕は急いでキャップを開けると、喉を鳴らして勢いよくお茶を飲んだ。張り付いてしまった喉を押し広げるように、お茶はするりと流れ落ちていく。
「っはぁー! うまい!」
意識して少し大袈裟に言うと、夏樹は僕に穏やかな表情を向けた。それを見て、僕はほっと胸をなでおろした。
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