長沙にて

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長沙にて

只野式ブートキャンプを行って3ヶ月後、俺は荊州を己の傘下に治める為に動き出した。 張燕を筆頭に張コウ、高覧に周泰や蒋釿や賀斉を使い零陵、武陵、桂陽、南郡、南陽へと進軍し支配下に治めた。 俺は許チョと二人だけで長沙へと向かった。 俺には『英霊軍召喚』が有るからな、まあ何とかなるっしょ。 長沙に二人だけで向かう目的はズバリ黄忠だ。 次いでに魏延をゲットしたい者だ、荊州をなるべく早くゲットして袁紹と曹操が争って居る間に蜀を手に入れないとな。 孫堅には袁紹と曹操の争いが始まったら嫌がらせで曹操の方にちょっかいを掛けさせ無いとな。 袁紹と曹操、二人が長く争えば争う程に俺に取って利になるからな。 二人には長く戦って貰いたい。 趙雲と陳到と文聘の三人に一万の兵を付けて孫堅を援護させるのも良いな。 こうして見ると俺も随分と【腹黒く】なった者だ。 まあ、戦国時代に散々、揉まれたからな。 主な師は雪斎だがな。 道中、そんな事ばかりを考えながら進むが途中で思考が中断される。 見てみると道の先の方で倒れてる中年の男と、その男を必死で揺する少年が居た。 「許チョ」 「はっ」 許チョは覚醒して機動戦士モードになると、素早い動きで少年の所までダッシュで向かう。 こんな時代だ、行き倒れの振りをして襲うパターンも考えられるからな。 念には念を入れないとな、何が有るか分からないしね。 「殿~本当に行き倒れだよ~」 機動戦士モードから通常モードへ戻った所を見ると本当に行き倒れのようだな。 何より許チョの野生の勘は信じられる。 俺は許チョの勘を信じて、中年の側に行き倒れてるオッサンの様子を伺う。 「うむ、見事に傷だらけだな此れは」 一体、どんな戦いをしたのか中年のオッサンは傷だらけで呼吸も浅く放って置いたら確実に天に召されるだろうと思うだけの傷を負って居た。 此れは緊急性が高いな。 俺は懐からとある物体を取り出す、それは桃だった。 ある時に仙気と共に神気を練り込んで行った結果… 『神桃』 効能、欠損部分及び傷の完全修復。『若返り』 との結果がライブを通して出た。 正直やり過ぎたとの後悔はある、その時ライブからフォローが入る。 『マスター、神桃の創造が可能となりました』 神工知能のライブさんが無慈悲にそう告げる。 うむ、時の権力者に知れたら間違いなく俺は捕まるな。 現状、回復アイテムは此れしか無いが劇薬何だよなぁ。 「その桃下さい!」 「あ」 この時の俺は完全に油断して居た。 まあ、戦闘モードでもないし何より行き倒れの中年とそれにすがり付く少年だったのだから仕方ないとは言え、俺の手か神桃を奪うとはこの少年の技量の高さも中々の者だな。 「師匠!此れを食べて下さい!」 行き倒れの中年は意識を朦朧とさせながら一口、神桃を噛る。 そして噛った瞬間に神桃の効果は劇的に現れた!
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