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俺はその女の子に目線を落とした。
「大丈夫か」、と声をかけようとする。が、
「……!いやぁっ……!!!!」
女の子はまるで、恐ろしいものを見たかのような顔をして逃げていった。
……なんだよ!! 俺の顔、そんなに怖いか!!?? なぁ! 怖いのか!?
その後その女の子は保護者と思われる人と一緒に歩いてこっちを睨んでいた。 まるで不審者を見るような目で。
クソッ! 今日は苛つくことばかりじゃねぇか!!
さっさと家に帰って飯にするか。
視線を感じた。俺は前を見る。
そこには黒縁メガネをかけた、少し儚げで地味な、いや、これは言い過ぎた。
とにかく優等生のような風貌の青年が歩いていた。興味深そうに俺を見ている。
……知り合いだろうか?いや、こんなやつ、知り合いにいたか……?
あれこれ考えているうちに気がつけば青年はいなくなっていた。
…………気のせい……だったのか?
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