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「う~ん、どっちに進もうかな」
少年が分かれ道で立ち止まり呟く。
「よし、決めた右にしよう!」
少年はしばらく考え込んだ末に右に行くことにした。
「やった。100円見っけ。今日も良い日だ。こんなものが見えたからどうしようかと思ったけど結構便利だね」
しばらく歩き少年は100円を見つけ少し嬉しそうに笑顔を浮かべる。彼がいう見えたものと言うのは光の道である。彼が光の道が進む方に行くと必ず良いことが起こり悪いことが一切起こったことがないのである。
「うんうん。さて、他にも何が起こるか楽しみだな。でも、流石に戻らないと暗くなるね」
呟き歩きはじめる。
「あれは?」
少年は歩みを止めて訝し気に前を見て呟く。少年に見えているのは今まで見たことがない黒い道である。
「何だか行きたくないな。でも、帰るにはこの道を進まないといけないし少し進むぐらいなら大丈夫だよね」
そう確かめるように恐る恐る足を進める。
「走ろう」
誰に聞こえるでもなく走り出す。
キキーーーー!
「え?」
バンッ!
少年は何が起こったか分からずに短い人生を終えた。
「あらら、死んでしまいましたか」
映像越しに先ほど死んだ少年が映っていた。映像を見ている女性は蝙蝠の翼を生やしており彼女が人間でないことを物語っている。
「クスクス、車で事故死なんて可哀想ですね」
そんなことを呟くが顔には笑顔が浮かんでおり大して悲しんではいないことがわかる。
「ま、いっか。次に行ってみよう!次はどれぐらい楽しめるかな~」
笑顔でそう言う女性であった。
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