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どうでも良い話なのだが、伊田野が結婚できてどうして俺が結婚できないのか、全くと言って良いほど不可解な話だ。
「結婚したというのは、実は嘘なのでは?」とすら俺は彼を疑ってしまう。
しかしいくら考えても解決できないことなど、世の中には数多く存在するものだ。
魔界の神にして明けの明星の審判者たる俺が魔界に帰還したあかつきには、絢香を我が正妻として迎え入れ、そして数多の妾たちを囲ってやろうではないか。
伊田野よ、見ているが良い。今は俺のことをお前は馬鹿にしているようだが、いずれこの俺を恐れおののき羨む日が必ず訪れるであろう。
その時お前はどうする? 土下座して今日の出来事に関し許しを請うたとしても、俺は絶対にお前を許しはしない。お前に科せられた罪は、万死に値する。
俺はリュック・サックの中身を全て確認し終えると、再び一つ一つを同じリュック・サックの中へと丁寧に収納する作業を進めた。
その作業を淡々と繰り返し進めつつも、俺は心の中で密かに伊田野に対する怒りの炎を燃え上がらせていた。
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