カモフレな関係

1/4
820人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ

カモフレな関係

会社でわたしと渉は付き合ってる事になってる。 入社して半年ぐらい、わたしは社内社外の男性からたびたび交際を申し込まれ、断ってるのにしつこく迫られ、何度か怖い思いをした。 それを知った渉が、わたしの身を守るためと言って、渉と付き合ってるふりをするカモフレを提案してきた。 渉に本命の彼女が作れなくなるからと断ったんだけど、渉が社内でわたしと付き合ってる素振りを周りに見せつけるようになり、社内公認のカップルになってしまった。 「ーー萌、午後イチでクライアント先にヒアリングにいくから、昼は外に食べに行こう」 たまにはインテリアプランナーの先輩や後輩とランチしたい気もするけど、ほぼ毎日、渉と過ごしてる。 「あれっ、真宮くんと櫻井さん、今からランチ行くとこ?」 自社ビルから出て渉の車に乗ろうとしたら、颯斗社長に声をかけられた。 「はい。午後イチでクライアント先に行くので今日は外でとろうと思いまして……」 「そうか。もし良かったら、うちにおいでよー。嫌、愛莉が大量に作ってるから、手伝って!!」 愛莉副社長はtataの御令嬢でシステムキッチンのデザイナーをしてたのもあり料理が得意で、月に1度ホームパーティを開いて手料理を振る舞ってくれる。 颯斗社長に誘われたら断れず、高輪にある颯斗社長の豪邸についていく。 ドアを開けて玄関に入るとエプロンをつけた愛莉副社長が出迎えに来てくれた。 愛莉副社長にビビってる颯斗社長。夫婦喧嘩中らしい……。 ダイニングテーブルには4人分のパスタとローストビーフと海鮮のカルパッチョと焼きたてパンが用意されてた。 愛莉副社長、わたしと渉には話しかけてくれても颯斗社長に対して完全に無視してた。 最近、愛莉副社長が気が立ってるなとは思ってたけど、颯斗社長と夫婦喧嘩をしてたからなのかもしれない。 愛莉副社長特製の半熟卵とベーコンの美味しいパスタと焼きたてパンは三つ星レストラン級の味だけど、ピリピリ空気に息が詰まった。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!