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胸の鼓動が早くなる。
まるで下り坂を転がる車輪の様に。
まるで蝉時雨に追い立てられる様に。
このドキドキはどっちなんだろうか?
もうすぐミチルに逢えるという胸の高鳴り?
それとも、不思議な街に彷徨い込んだ本能の警鐘?
きっと、その両方だ。
ミチルは、僕の初恋の相手だ。
天真爛漫で、でもたまに魅せる表情に心臓を掴まれた。
だけど、僕は告白できなかったし、これからもすることはないと想う。
だって、僕には分かるんだ。
ツヨシもミチルが好きだってことが。
そして、ミチルもツヨシが好きだってことが。
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