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1-1.青キ春ノ片道切符
黒磯駅のホームに降り立った僕達は、天に向かって、想いっ切り伸びをした。
線路の向こう側には出迎えるように陽炎が手招きをしている。
「キョー、長かったな。2時間40分も電車に乗りっ放は」
「だから、言ったじゃん。新幹線にしようよって」
「たまには良いだろ? これも青春の1ページって奴」
「青春18切符だけにね」
キョーと呼ばれたのは、僕。山本京介。
で、キョーって僕を呼んだのが、幼馴染の高田強。
あ、こっちはキョーじゃなくてツヨシね。
高校一年生の夏休み。
僕はツヨシと、ちょっとした旅に出ていた。
目的は、同じく幼馴染だった青木未散に逢うため。
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