1-1.青キ春ノ片道切符

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僕達三人は、東京都内のベッドタウン『帝町(みかどまち)』の大型団地・同じ棟の隣同士で育った。 605号室がツヨシ、606号室が僕、607号室がミチルの家だった。 同い年で、幼稚園から中学校まで一緒に通っていたんだ。 幼い頃は、ミチルが一番強くて、僕はよく泣かされたものだった。 あ、ミチルは女の子ね。言い忘れてたけど。 今でも『腰に手を当てての仁王立ちポーズ』=ミチルポーズを想い出す。 曲がったことが大嫌い。 女子だけど、イケメンぶりを発揮して小学生でファンクラブまであったっけ。 バレンタインは僕の何倍もチョコを貰っていた。 僕は、お母さんとミチルからの義理チョコ&友チョコしか貰っていないけど。 実質ゼロだけど、ゼロに幾ら掛けてもゼロだからね。 同じ団地には、同級生がたくさんいたけど、僕達三人は家が隣だから、毎日のように遊んでいた。 特にうちは、五歳の時にシングルマザーになっちゃったから、ママ友だった隣の二軒によく預けられていたんだ。 だから、兄弟のように仲が良かったんだと想う。
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