再会、空港で・・・

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「……うん。あれね、あったね」 ミズキは少し言葉を濁して頷いた。 それは、卒業の一ヶ月前に起きた。中学や高校の時なら身の回りに有りがちな事だ。 転校して来てから、美少女として校内で知らない者は誰もいないほどの存在だったミズキだが、その雰囲気は逆に近付き難い印象を周囲に与えていた。 しかし、卒業してしまえば同じ進路に進む一部の者の他は、離れ離れになってしまう。 そこで最後のチャンスとばかりに告白ラッシュが起きる。この年の告られナンバーワン女子はミズキだったのだ。 私の記憶が正確なら、最後の登校日前の一月でニ十三人がミズキ一人に告白した。これは学年の男子の三割以上だ。 そして、これも有りがちなのだが、その男子の大半が私を通して話しを持ちかけてきた。 近付き難い存在のミズキの好みとか、考えを一番知っている私を頼って来ると言う訳だ。
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