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「あの時は、大変だったなぁ。一日にニ、三人。多い時で五人は受付したもん、私」
「……そうだね。ごめん。私の為に。迷惑かけちゃって」
俯いて前を見詰めながら、小さな声でミズキは言った。
私は意識して弾んだ声で返す。
「いや、そんな事ないって。まあ、美少女の宿命って言うか。ミズキが悪い訳じゃないし」そこで間を置くと、小さく息を吐いて言葉を繋いだ。
「たださ、ミズキ中々、付き合う人決めないからさ。聞いても好きな人とか、気になる人いないって言うし。私は心中やきもきしましたぁ」
「本当にごめん」
今度は横目で私をチラッと見ながら、また謝った。
「でも、最後は、ほら、あの子。学年ナンバーワンのイケメン君に決めてくれて良かった」
私はミズキの様子を伺いながら言った。
「ヒナこそ、小学校からの同級生の子から告白されたじゃない。あの子、ヒナのことずっと想ってくれてたんだよね。だから、あの時嬉しかったな」
そう、『恋の嵐週間』が終わった後、私達は各々、同級生の男子と交際する事になった。
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