貴女と私の小さな嘘

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「ねえ、ミズキ。どの人と付き合うの?」 これまでミズキに告白した男子生徒のリストを挟んで、困り顔のミズキに視線を送り、私は問い詰めた。 「誰とって、言われても……ヒナだったら誰と付き合う?」 私は、普段ミズキに対して抱かない感情が何処からか沸きだしているのを感じた。 「私は関係ないでしょ?ミズキの考えを聞いてるの」 この感情と言うか、感覚は何なの?私、一体何に対して。 「ごめん。ただ、ヒナはどう思ってるのかな、って聞きたくて」 「ん、ん?どうって……」 ミズキは、伏し目がちに首を横に振って呟く。 「あ、ああ、いいの。何でもない」 ミズキとそんなやり取りをしていると、教室のドアが開き、クラスメイトの男子が顔を覗かせ話し掛けてきた。
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