貴女と私の小さな嘘

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「おい、水城、お前と話したいって奴がいてさ、ちょっと来れるか?」 私は、またミズキ目的の男子からの相談かと思って「はい、はい、今行くから待ってと伝えて。じゃ、ミズキちょっと行ってくるから」 そう言って席を立った。 先程の男子から教えられた場所は、屋上に上がる階段の踊り場だった。 そこで待っている私の前に、思いがけない人物が現れた。私はその相手をよく知っている。その人は私の家の近所に住む幼馴染みだったから。 彼にいつもの馴れ馴れしさはなく、表情を固くして緊張している様だった。 「何?どうしたの?まさか、ミズキのことを……」言いかけた時、彼は何かを吐き出す様に言い放った 「水城、俺と付き合ってくれ」 「へ?嘘でしょ?え、えええぇぇぇ!」
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