貴女と私の小さな嘘

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席を立ってから十五分後、私はミズキの待つ教室に戻った。 言葉を無くして椅子にへたり込む様に座った私を見て、ミズキが心配そうに顔を覗き込んできた。 「どうしたの?ヒナ?何かあったの?」 私は直ぐに答える事が出来なかった。この直前に起きた事を自分の中で整理してから、やっと言葉が口から出た。 「……告白された。近所の幼馴染みの子から。いや、有り得ないよ。ね、そうでしょ?ミズキなら分かるけど選りに選って私だよ?いや、有り得ない」 ちょっと前に私に告白した彼みたいに、一気に吐き出す様に言った。ミズキに言ってるのか、自分に言ってるのかよく分からないままに。 ミズキは口を僅かに開け、瞬きを忘れた様に私に視線を向けている。いや、正確に言うなら私ではない、何処かを見ている様だった。
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