貴女と私の小さな嘘

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「ミズキ?ミズキ、大丈夫?」 今度は私が、心配になりミズキに声を掛けた。 私の声にミズキは、童話のお姫様が目を覚ました様に、その綺麗な瞳を瞬きした。 夢から覚めたお姫様は、何か言おうとしてみたが、言葉が出てこない様子で艶のある唇を震わせている。 そして漸く言葉を見つけたミズキは、震える様に呟いた。 「よ、良かったじゃない。私もあの幼馴染み君はヒナの事好きなんじゃないかなって思ってたんだ」 「どうしたらいいの?ミズキ……」 「ヒナが決める事だよ……さっき、私に言った事と同じだよ」 俯いて呟く様にミズキは、言った。 「いいんじゃない。二人がはしゃぐの見て、私、羨ましかった……付き合えば……いいじゃない」 今まで聞いた事のない、ミズキのローテンションな言葉に、私は一瞬、言葉も無く、呼吸する事すら忘れた。
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