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「ヒナは、私に素敵な恋愛して欲しいんでしょ?私も同じ……ヒナにいっぱい、いっぱい、いい恋して欲しいもん。幸せになって欲しいもん。本当だよ……」
ミズキは、言いながら口元を歪め、潤ませた綺麗な瞳で私を真っ直ぐ見詰めている。
「……分かった。それがミズキの気持ちなんだね。私も……ミズキが選んだんなら何も言わない。言わないよ。ごめん……なんで私、謝ってるんだろ……なんで……泣いてるんだろ」
私達は、その後各々、彼氏を作って交際を始めた。私は幼馴染み君と、ミズキはクラス委員長のイケメン君と。
私は、ミズキに対して抱き始めていた親友以上、と言うか友情とはまた違う想いを胸の中に閉じ込めた。
ミズキにとって私はどんな存在なんだろう?という思いはあったが、今の関係を壊してしまう事が怖かった。
それから卒業までの間、私達はどちらがという訳ではなく、何となく距離を置くようになった。
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