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それは、何十枚もの写真だった。最初の一枚を見ると、それは私とミズキが笑顔でポーズを取っている自撮りの写真。
「うわあ、懐かしい。これ初めて話した時のだね」
懐かしさに、思わず自然に笑みが溢れた。
一枚ずつ写真を見ていくと、どれも二人の思い出が詰まっているものばかり。二人で変顔をしたり、二人で片手を合わせてハートマークを作ったりしている写真を顔を寄せて見ては、高校生の時の様にはしゃいだ。
「あ?これ、私がホットドッグパクついてるとこじゃない。ミズキ、ひどっ!」
私は、写真を見ていくうちにあることに気付いた。二人で写っている写真から私だけ写っているものになり、隠し撮りしているような写真ばかりになった。
最初、笑いながら見ていた私は、次第に言葉少なくなっていった。
「ねぇ、ミズキ、これって……」
私は、左隣のミズキを心のバランスが崩れそうな想いで見詰めた。
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