再会、空港で・・・

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この三月の時期、私の住む街ではまだ雪のちらつく事もあるが、今日は晴れ上がった空に少しだけ冷たい春先の風がそよいでいる。 そんな中、私は空港へ向かい車を走らせていた。 この日は、高校を卒業して以来会っていない友人と十年振りの再会をする事になっている。その友人は「星野(ほしの)瑞希(みずき)」と言う。 彼女は、私より少し上背で肩まで伸びた黒髪と端正な顔立ちのもの静な人だった。 彼女との出合いは、高校二年の終わり頃、ある日私のクラスに彼女が転校してきた事に始まる。 急な転校という事情もあり、余り交遊が広いとは言えない彼女は、その雰囲気の所為も影響してか当初、周囲のクラスメイトからはミステリアスな美少女と見られていた。 そんな彼女と私が友人となったのは、互いの自己紹介がきっかけだった。彼女と出会った最初の日、私は前の席に座る彼女の肩を指先でツンと突っついた。
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