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私達は、無事に再会を果たせた。
ミズキは、私を頭から爪先までじっくりと見回す様に見て言った。
「変わってないね。高校生だったの昨日みたい。可愛いし、よしっ」
私は少し驚いた。声は受話器越しに聞いたそれと変わらないが、今の彼女の声色と言い方が小悪魔的なものを含んでいる様に感じたから。
以前の、物静かな美少女だった彼女らしくないな、と思って私も彼女の姿を改めて見詰めた。私が到着ロビーで彼女を見つけられなかった理由も分かった。
彼女は、強い陽射しもないこの季節にサングラスを掛けており、髪も以前の黒髪から明るい艶のある栗色に変わっていた。
「ミズキ、サングラス取りなよ。それ掛けてたから気付かなかったよ」
「あ、そう?ごめん。悪い、悪い」
そう言いながら、サングラスを取った彼女を見て、一瞬息を飲んだ。
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