少女のいる世界

4/5
前へ
/21ページ
次へ
その夢は少年がまた誰かに羽を一枚あげている所だった。 綺麗なブルーの瞳で微笑んでいた。 「幸せにね」 少年はそう言ってまた光の中に消えていった。 少女はそこで目を覚ました。 『少年はまた幸せを分けていったんだ・・・』 どうしたら私も少年のように優しさを分けてやれるだろう。 どうしたら純粋なままでいられるだろう。 それから少女は働く度に少しずつ優しさを分けようとした。親切にした。少年に近づきたくて頑張った。 この努力よ。 お願い、実ってください。 少女は今日も働く。 青空の下で。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加