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少年が口にしたこと。
それは・・・
「僕を自由にしてくれる?」
少女は何の迷いもなく頷いた。
少女と少年の背丈の差は50cm以上あるものの、少女が持つ大きな翼のおかげで軽々と舞い上がる。
少女は他の監視役が回って来ないのを確認すると、鍵を取りだし脱出した。
「監視役さん。ありがとう。僕が君にしてあげられるのは君を守ることくらい。だからその羽を手放さないでね」
それだけ言うと少年は突然現れた光に吸い込まれ、消えていった。
少女は少年を逃がしたことで重い罪になった。
しかし何故か皆いきなり、
「もうやめよう」
と言い出した。
少年に罪などなかった。少女にも自由が与えられた。
少年がくれたもの。
それは、“幸せ”だった。
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