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死亡フラグ確定の愛されなかった妃に転生したようです
はっと目を見開いた瞬間、目に飛び込んできたのは見慣れない天井だった。
"翠珠"は目を瞬かせる――なんで、見慣れた病院の真っ白な天井じゃないんだろう。
(待って、待って――)
違う、病院の天井なんて見えるはずがない。というか、病院というのはなんだ。
頭の中でぐるぐると回るのは、病弱だった前世の記憶。
長い間病院に入院していて、実家に帰ることができるのは許可をもらって年に数回だった。友人もろくにいないまま二十歳を過ぎて――。
(……そっか、”私”は、死んだのか)
不意にその事実が現実のものとして認識された。
日本人だった前世、病院のベッドの上でできることと言えば限られていた。検査や治療の間に本を読んだりゲームをしたり。
病室内だけならベッドから出てもいいほど体調が落ち着いていた時には、ハンドメイドにいそしんだこともあった。
来世は健康な身体に生まれたい。そう願ったのも否定はしない、けれど。
李翠珠として生まれて十五年。健康優良児であるのは間違いない。
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