皇帝と知っての襲撃?

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 春永は、以前と変わらず接してくれる。この場所に来てから、それがどれほど安堵させてくれたことか。 (私も、このまま変わらないでいたい……)  もし、妃としての身分をかさに来て、春永に威張り散らすようになったら――それはきっと、翠珠の中の前世が消えてしまった時だ。  もちろん、前世は前世。必要以上に前世にとらわれる必要もないと思っている。ただ、翠珠が前世の自分を失いたくない――それだけの話ではあるのだ。  お茶をいれて戻って来た春永は、顔色が悪かった。 「ねえ、襲撃されたって聞いたんだけど……大丈夫? 怪我はしていない?」 「どこで聞いてきたの、そんなこと」 「護衛が増やされたのよ。薔薇宮の周囲を厳重に警戒してるって……厨房の人達が言ってた」  厨房に湯をもらいに行ったら、ちょうどそんな話になっていたそうだ。翠珠は普通にしていたから、単に帰宅予定が早まっただけだと思っていたらしい。 「たしかに襲撃はされたけれど……あとは、陛下にお任せしたから、私はよく知らないの」 「……そう」
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