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アマデウスとの決着直後である。
【おめでとうございます。レベル50になりました!】
あっ、レベルアップしたぞ。
って、ことはだ。
アマデウスが完敗を認めたってことかな。
よし、これで今回の騒動も終了かな~。
【レベル50になりましたので、特別ボーナスが有ります】
あっ、忘れてた。
レベルアップボーナスだぜ。
やった~♡
そして俺がバンザイをすると周囲が灰色に染まり出す。
後ろを振り返れば灰色の景色の中でアマデウスが硬直していた。
時間が止まったんだ。
って、ことはだ……。
あの糞女神が登場しやがるぞ。
俺が空を見上げて睨んでいると、後方で目映い光りが放たれた。
「あれ、後ろか……」
俺が振り返る中、第九の下のほうで空間が目映く輝いていた。
その輝きから階段が伸び出て、町の中に降りて行く。
俺はその光景を第九の上から見下ろしていた。
「あれれ~……?」
俺が呆然と光を見下ろしていると、光の扉が開いて糞女神が出てきた。
糞女神は背筋を伸ばしながら澄ました素振りで階段を下り始める。
俺はその背中を上空から見送る。
そして、糞女神は階段の中腹まで下りるとキョロキョロと辺りを見回して俺を探しているようだった。
どうやら俺が背後の上空に居るのを気付いていないようすだ。
なんだか面白そうだから、もう少しだけ放置して見ていてやろうか。
そんな感じで俺が呑気に眺めていると、糞女神の野郎は胸の前で腕を組むと首を傾げた。
「おうおう、悩んでやがるぞ、悩んでいやがるぞ~」
そして、糞女神はしばらく悩むと、ポンっと手を叩いた。
そして、明るい口調で言う。
『もう今日は帰って連ドラでも見て寝ようっと♡』
えっ……。
明るくサラリと述べた糞女神は踵を返すと光る階段を登り出す。
扉に向かって帰還しようとしてやがる。
「ちょっと待てや、勝手に帰るな!!」
俺は慌てて第九の上から飛び降りた。
光の扉と糞女神の間に着地する。
『あら、居たの。変態少年?』
「誰が変態だ!!」
糞女神がさぞ当たり前のように俺の顔を指差す。
「テメー、俺を変態だと思ってやがるな!?」
『うんうん、当然よ』
糞女神が素直に頷いた。
マジでなんの疑問も思っていない表情だ。
『それよりあなた、そこを退いてもらえないかしら。私は帰りたいんだけど』
俺は両腕を広げて糞女神を止める。
「だから勝手に帰るなよ。帰る前にレベル50達成ボーナスを置いていけ!!」
糞女神は可愛らしく首を傾げながら言う。
『なんで?』
「なんでじゃあねえよ。そのためにお前は来たんだろ!!」
『あれれ~、そうだったかしら~?』
「寝ぼけてんじゃあねえぞ。寝言は寝てから可愛らしく言いやがれ!!」
『私は女神よ。神は寝ないわ』
「えっ、そうなの?」
そう言えばガイアも寝ないよな。
いや、ちょっと待てよ。
以前こいつの部屋に入った時に、こいつは寝てやがったよな。
じゃあ、女神でも寝るじゃんか。
「お前、この前さ、寝てたよな?」
『はぁ~、いつの話よ。変な言いがかり付けないでよね。それじゃあ私が暇な時は連ドラ見ては食っちゃ寝しているみたいじゃあないのよ!』
「ああ~、プライベートだと、そんな感じなんだ~。怠惰にまみれてるんだ~。マジで糞女神だな」
『プライベートはちゃんとしているわよ。それは仕事中の話でしょ!!』
「お前、自分が何を言ってるか理解しているのか……。仕事ならば真面目にやれよ」
『あ~、も~、うっさいわね。これだから人間は理屈っぽいから嫌いなのよ。今度暇な時にでも絶滅させてやろうかしら』
「暇だからって気楽に絶滅させるなよ。、お前も女神なら、もっと人間を愛せよな……」
『わかった、わかったわよ。今後は人間でもオケラでもアメンボだって愛しますよ!』
「何気に人間を弱小昆虫と同等に見ているよね……」
『もういいから、早く願いを言いなさいよ。レベルアップボーナスが欲しいんでしょう。この絶世の女神アテナ様が叶えて上げますから、早く言いなさい~!』
俺はちょっと俯くと頬をピンクに染めながら恥ずかしそうに小声で言った。
「……ンコを、元に戻してください……」
『ええ~、聞こえない。もっとハッキリと言ってよ!?』
「チ◯コを元に戻してください……」
『えっ……?』
糞女神が目を点にさせながら小首を傾げる。
「だから、チ◯コを元に戻してください……」
『な、なんで……?』
「片玉が潰れちゃったからさ……」
『ちょっと見せてみ……』
「えっ、セクハラ!!」
『違う違う、どんな風に潰れてるのか見てみないと治せないでしょうが』
「で、でも……」
『でも、何よ?』
「でも、俺だって年頃の男の子だよ。女性の前で股間を晒すのには抵抗がございますがな……』
「私だって長いこと女神をやってるけど、人間の股間を限定で蘇生することなんて無かったから確認は必要なのよね。だから早く見せておくれ』
「じゃ、じゃあ、ちょっとだけなんたからね……」
『うん、少しだけでいいからさ』
俺は仕方ないのでずぼんを下ろして上着をたくしあげた。
女神の前で股間を晒す。
そんな俺の眼前に糞女神が膝を付いて股間に顔を近付ける。
糞女神はマジマジと俺の一物を観察していた。
俺は耳まで真っ赤に染めながら横を向いてモジモジと身体を揺する。
ゴクリっと生唾を飲んでから糞女神が言う。
『ちょっとだけ、触ってもいいかな?』
「な、なんでさ!?」
『竿が邪魔で袋がよく見えないんだよね。ちょっと摘まみ上げて退かしたいのよ』
「それはアカンだろ。それ以上やったら強制非公開か垢バンされますがな!!」
「でも~、ちょっとぐらい良くない?』
「ダメダメ。ただでさえ【なろう】だと途中から強制的にR15指定されて読めなくなった読者が沢山増えちゃったんだからさ!!」
『んん~、じゃあしょうがないか~。このまま振れずにあなたのキャン玉を蘇生して上げるわ。それにしても、今まで死者蘇生や手や足を蘇生させてあげたことは沢山あったけど、キャン玉限定で蘇生するなんて初めてよ……』
「すんません、御手数かけまして……。でも片玉を蘇生させる女神なんて世界初かもよ」
『じゃあ、垢バンされないことを祈りながらキャン玉を蘇生させますね♡』
女神でも利用規約には勝てないのね……。
でも、こうして俺の片玉は蘇生された。
まあこれで俺の結婚生活は安泰である。
スバルちゃんとラブラブの初夜を迎えられる日も近いだろうざぁぁァァあああ!!
心臓がぁぁあああ~~!!!!
【つづく】
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