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その時は擦れ違っただけだったが、そんなことが三週連続日曜日の昼に起きて四週目の日曜日の昼に遂に青年が話しかけて来た。
「可愛いワンちゃんですね」
僕がときめきを感じて思わず立ち止まると、青年も立ち止まって言った。
「雄ですか?」
「え、ええ」と僕がどぎまぎして答えると、青年は蠱惑的な微笑を浮かべ、妖しく光る白い歯を隠見させながら言った。
「僕のも雄なんですよ」
そう言いしな青年は含みのある笑い声を漏らした。
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