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「嗚呼、堪らなく魅惑的な表情だ。心臓がどきどきする。はあ、告白したくて胸が張り裂けそうだ」
そんな思いで僕の胸がいっぱいになった時、遠くから、「あ~!やっぱり其処にいたのね!」と言う甲高い女の声が聞こえて来た。
僕らは声のする方を見ると、僕らと同い年くらいの可愛い女子がこっちへ駆けて来るのが見えた。
「ねえ、ちょっと急用があるの」と女子は青年の目の前に来て言った。
「えっ、急用って?」
「とにかく一緒に来て」
「悪い事じゃないだろうねえ」
「うん、割とね」
「割とか、まあいいや、よっしゃ、オッケー」と青年は軽い調子で答えた後、僕に向かって、「じゃあ、そんな訳でお暇します」と告げて妖しく光る白い歯を誇示するように微笑んで見せるなり女子と仲良く手をつないで女子の促す方へ急ぎ足で去って行った。
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