カールスバッド洞窟へ

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カールスバッド洞窟へ

父の運転する車はテキサス州エルパソからハイウェイを東へ走っていた。 道の両側には乾いた土地が広がっていて輝く太陽の『光』が降り注いでいる。真っ直ぐ続くハイウェイの先は丸い地平線が広がり、雄大なアメリカの大地を垣間見せてくれている。 地平線の左側に山の頂が見えて来た。その先に目的地ニューメキシコ州のカールスバッド洞窟が在った。 その日、僕は家族と一緒にハイスクールの夏休みを利用してカルフォルニア州からニューメキシコ州に在るカールスバッド洞窟に向かっていた。 カールスバッド洞窟はアメリカの国立公園であり世界遺産登録をされている観光地だ。ここには八三の洞窟があるが、特にレチュギアケイブはアメリカで最も深く(約五百メートル)、長さは世界第五位(二〇三キロ)の石灰岩の洞窟で世界中から多くの観光客が訪れている。 カールスバッド洞窟の駐車場に到着すると、僕は両親と別れ一人で洞窟探検ツアーの受付に向かった。僕はこの特別ツアーで洞窟の深部に行くことを本当に楽しみにしていた。 受付を終えると集合時間に洞窟の前に向かった。特別ツアーの参加者は六名。全員がライトの付いたヘルメットを装着している。そしてその中に彼女が居たんだ。
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